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月別アーカイブ: 2025年10月

第21回型枠工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社フジワラ、更新担当の中西です。

 

1️⃣ なぜ側圧を読むのか
打設中のコンクリートは流体+粒体。単位体積重量γ(おおむね23kN/m³)と高さh、打設速度v、温度T、スランプSが側圧に影響します。読み違い=はらみ・漏れ・倒壊に直結。📊

 

2️⃣ 基本イメージ(簡易)
• 静水圧モデル:p ≒ γ × h(kPa)。例:h=3.0m → p≒23×3=69kPa。
• 実務では打設速度が遅いほど内部の“見掛け粘性”が上がり、圧力は低下。逆に高速打設+高スランプ+低温は圧力が高めに出やすい。
• 安全側に読むのが原則。📐

 

3️⃣ 設計の要点(壁・柱)
• セパピッチ:水平/縦の間隔を圧力・面材厚・根太剛性で決定。開口周りは1サイズ密に。
• 補強リブ:荷重の“逃げ道”。コーナー・T字・L字は外控え+内当て木で剛性UP。
• 柱型枠:梁スリーブや添え筋で“偏荷重”が出やすい。四隅の締結均等化が肝。
• 打設計画:層ごとの止め位置(“止め梁・止め壁”)を決め、バイブ挿入パターンを共有。

 

4️⃣ スラブ・梁・支保工
• たわみ:許容たわみ(L/500など)を目安に根太ピッチ・大引間隔を設定。
• 再支保(リショアリング):解体後の荷重再配分を計算に入れる。解体→再支保→次打設のタクトを。
• 柱頭・梁下:荷重集中に“受け広げ”の当て板を標準化。🧱

 

5️⃣ 施工中の合図を読む👀
• 鳴き音/きしみ:締結不足のサイン。すぐ増し締め。
• 微小な漏れ:大きな漏れの前兆。速やかに目止め+控え増設。
• 面の振動波:過振動。バイブ停止→位置変更。

 

6️⃣ 打設速度・スランプ・温度の合わせ技🧪
• 高スランプ(流動性高)+低温(硬化遅い)+高速打設=最大圧力に近づく。
• 暑中は逆で側圧が下がりやすいが、打継ぎ・コールドジョイントのリスク増。→タクト短縮+増員で対応。

 

7️⃣ 数字を“現場語”に翻訳する🗣️
• “この壁は3mだから70kPa級。セパは@450→@300に、開口周りは@250で。”のように、数式→ピッチと金物の指示に落とすのが職長の仕事。
• 写真管理は、セパピッチと増し控えの“根拠”が写る角度で。📸

 

8️⃣ 即使える簡易手順✅
1) 高さ・打設速度・スランプ・温度を当日朝に再確認。
2) セパピッチ/補強を“高側圧想定”で指示。
3) 開口・コーナーは二重枠+外控え増しで先手。
4) 打設は対角・層状、バイブは短時間・多点。
5) サインを感じたら(鳴き・漏れ)即止め→是正。

 

9️⃣ まとめ
側圧は“想像力の学問”。数字を根拠に、現場の音・手触り・流れを読む。次回は図面と墨出しで、狂いを生まない前工程の作法を解説します。🧭

 

 

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