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第19回型枠工事雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社フジワラ、更新担当の中西です。

 

1️⃣ 型枠工事のミッション
コンクリートという“流れる材料”を、設計者の意図どおりの形・寸法・表面品質に“翻訳”するのが型枠工事の使命です。翻訳が甘いと、はらみ・漏れ・豆板・寸法誤差・通りの狂い・レイタンス跡・ジャンカなど、躯体の品質と工期・原価に深刻な影響が出ます。型枠は単なる一時的な器ではなく、構造体の精度と美観、さらには建物の寿命まで左右する“影の主役”。ゆえに、段取り・納まり・安全・原価の四輪を噛み合わせる現場力が要求されます。💡

 

2️⃣ 全体フローと関係者
• 設計→施工計画(型枠支保工計画書・工程・タクト)→資材手配→地組/現場組→墨出し→組立→チェック→コンクリート打設→養生→解体→清掃・転用→次サイクル♻️
• 関係者は、型枠/鉄筋/設備/電気/ポンプ/生コン/監督/検査が主。取り合いの調停役は多くの場合、型枠職長。“開口・スリーブ・インサート・打継ぎ位置・目地・Pコン位置”は、最小の打ち合わせ漏れが最大の手戻りに化けます。🤝

 

3️⃣ 型枠の基本機能(3つの視点)
• 形状付与:図面どおりの形・寸法・面を作る(意匠・機能)
• 耐圧:打設時の側圧・振動・衝撃に耐える(構造)
• 作業基盤:足場・通路・手摺・工具置きなど作業性(安全) この3つのバランスが崩れると、どこかで帳尻合わせが起き、事故や不具合の温床になります。⚖️

 

4️⃣ 現場のKPIと管理軸
• 出来形:通り/レベル/寸法/面の平滑さ・色ムラ
• 生産性:m²/人日、1スパン当たりのサイクル日数
• 転用回数:合板・鋼製枠・セパ・支保工の寿命
• 安全:KY実施率・是正数・腰痛/挟まれゼロ
• 原価:材料歩留まり、手待ち削減、打設リードタイム⏱️

 

5️⃣ 失敗はどこから来る?——“3つのズレ”
1) 図面と現場のズレ(開口・段差・目地、配筋や設備と干渉)

2) 計画と実行のズレ(段取り・人員・資材・クレーン手配)

3) 時間と品質のズレ(打設速度・温度・スランプに対する耐圧余裕不足)
→ 対策:初期に“5点合わせ”(打継ぎ・開口・インサート・Pコン・目地)を合意、干渉はBIM/型板展開で見える化、当日変更に備えて“代替案”と余裕材(予備セパ・補強材)を標準装備。🧭

 

6️⃣ 明日から使えるチェックリスト✅
☐ 型枠支保工計画書は“図・根拠・責任者”がセットか?
☐ 壁・柱のセパピッチは打設速度/スランプ/温度を踏まえたか?
☐ 開口周りは二重枠・補強・躯体目地と整合?
☐ 通り芯・レベルは“他工種基準”と合わせたか?
☐ 離型剤は材料と仕上げに適合、塗布量は規定内?
☐ 先行足場・手摺は作業半径と搬入動線に合致?
☐ 写真管理は“根拠が残る角度”で撮る段取り?📸

 

7️⃣ よくある不具合と即効リカバリ🛠️
• はらみ/漏れ:開口・継手にパッキン/目止め。内側に当て木+外側控え増設。
• 通り狂い:基準通り芯から再測量、クサビ解放→再緊結。
• 豆板/ジャンカ:開口下端に逃げ穴、打設姿勢/バイブ入れ替え、打継ぎ計画の見直し。

 

8️⃣ まとめ
型枠は“段取り8割”。手戻りをゼロに近づけるのは、前工程での対話と見える化。次回は、現場で迷いやすい材料・資材の良し悪しの見極めを深掘りします。🔍

 

 

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