オフィシャルブログ

月別アーカイブ: 2025年11月

第25回型枠工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社フジワラ、更新担当の中西です。

 

型枠の品質管理と耐久性アップ

 

型枠工事は“組立てる仕事”であると同時に、“守る仕事”でもあります。
11月は、現場稼働が高まる一方で、資材の劣化や破損が増えやすい時期。
冬を迎える前に、型枠パネル・金物・サポート類を見直すことが、長期的コスト削減にもつながります。


1. 型枠パネルの点検項目

点検箇所 チェック内容 対策
コンパネ表面 剥離剤のムラ・塗装剥がれ 再塗布 or 交換
桟木・根太 反り・割れ・ねじれ 交換 or 乾燥補正
金物 変形・サビ グリス塗布・交換
パネル角部 欠け・段差 エポキシ補修 or カット修正
接合ビス ゆるみ・折損 定期締付・交換

特に11月は湿度が下がるため、木製パネルが乾燥して反りやすい
保管時は水平に重ね、日射を避けた環境で保つことが重要です。


2. 金物・サポート類の整備

パイプサポートや型枠金物は、現場の生命線。
以下の項目は冬前に必ず点検を。

  • ナット・ピン部のグリスアップ

  • ボルトネジ山のサビ落とし

  • クランプ・単管の曲がり点検

  • 保管時は立てずに横置き、倒壊防止柵を設ける

こうした日々の積み重ねが、事故防止にも直結します。


3. 剥離剤の管理も品質を左右する

寒くなると、剥離剤の粘度が上がり、塗布ムラが出やすくなります。
→ スプレーガンのノズル詰まり、過剰塗布による「型枠焼き付き」注意。

11月以降は低温用剥離剤を使用し、保管も室内に切り替えましょう。


4. 型枠保管ヤードの整理整頓

年末に向けてヤードが混雑するため、今のうちに在庫・整備済み・廃棄予定を分類。

  • “来期持ち越し用”と“今期で終わる現場用”を分けて保管

  • 撤去資材の積みすぎ注意(崩落防止柵を設ける)

  • フォークリフト搬出ルートの安全確保

整備ヤードを整えることは、次現場のスタートスピードを高める最短ルートです。


まとめ

型枠資材は“現場の財産”。
11月の点検・整備・整理で、冬を安全に乗り切り、次の現場へつなげましょう。
「型枠を守る=現場を守る」——それが職人の矜持です。

 


株式会社フジワラでは、一緒に働いてくださる仲間を募集中です!

私たちが採用において最も大切にしているのは、「人柄」です。

ぜひ求人情報ページをご覧ください。

皆さまのご応募を心よりお待ちしております!

詳しくはこちら!

第24回型枠工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社フジワラ、更新担当の中西です。

 

年度後半の繁忙期

 

11月。公共・民間問わず、年度後半の現場がピークを迎える時期です。
「年内にここまで」「年末までに打設まで持っていきたい」——
そんな声が現場に響く季節。
型枠職人たちにとっては、スピードと精度を両立させる腕の見せ所です。


⚙️1. 工期短縮=型枠の段取り力

限られた人員・短い日照時間の中で進める11月現場。
生産性を上げる鍵は「段取り」にあります。

段取りの3原則:

  1. 図面読み込み(開口・逃げ・芯ズレの事前確認)

  2. 資材搬入と配置(クレーン・フォークリフトとの調整)

  3. 組立順序と分担の明確化(誰がどこまでやるか)

特にこの時期は、日没が早く照明が必須
照明計画を怠ると、午後4時以降の作業効率が一気に落ちます。
照明位置の工夫ひとつで「1日あたり30分の作業短縮」が可能です。


2. 効率化のカギは「仮設資材の整理」

繁忙期は、材料置き場が乱れやすい。
しかし整理整頓は単なる美化ではなく、労災防止と工程短縮の要です。

整理整頓のポイント

  • 型枠パネルはサイズ別・使用頻度別に区分

  • 釘・ボルト・サポートは「作業単位」ごとにセット化

  • 残材はその日のうちに廃棄 or まとめ保管

  • 通路確保でクレーン作業もスムーズに

現場でありがちな「資材探しのロス」は、1日10分でも月で換算すれば数時間分のムダ。
“探さない現場”が強い現場です。


3. 年末までの「型枠脱型→仕上げ」ラッシュに備える

11月〜12月前半は、構造体の仕上げ工程に突入する現場が多くなります。
つまり、型枠業者にとっては脱型→清掃→再利用→次現場のサイクルが一気に早まる時期。

  • 脱型材の破損チェック

  • パネル角部の欠け補修

  • コンパネ再塗装(剥離防止)

  • パイプサポートのねじ部グリスアップ

整備済み型枠を常に“次に使える状態”で管理することで、年末繁忙を乗り切れます。


4. 職人のメンタルケアも大切

11月は寒さと忙しさが重なり、ミスや疲労が増える時期。
班長・職長は「声かけ」と「休憩タイミングの見極め」を意識しましょう。

  • 「焦るより丁寧に」「安全第一」を口癖に

  • 寒冷による指の動き鈍化に注意

  • 夜間作業では交代制・短時間集中を徹底

「ケガをしない」「事故を起こさない」ことが、最大の生産性アップです。


まとめ

11月は、工期・寒さ・安全――すべてが重なる最も忙しい時期。
その中で現場を支えるのは、段取り・整理・チームの連携
今年もあと少し、焦らず確実に、最高の仕上がりで年を越しましょう。

 


株式会社フジワラでは、一緒に働いてくださる仲間を募集中です!

私たちが採用において最も大切にしているのは、「人柄」です。

ぜひ求人情報ページをご覧ください。

皆さまのご応募を心よりお待ちしております!

詳しくはこちら!

第23回型枠工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社フジワラ、更新担当の中西です。

 

型枠精度とコンクリート管理

 

秋も深まり、朝晩の冷え込みが一気に増す11月。
現場に立つ型枠職人にとって、この時期は**「気温との戦い」**が始まる季節でもあります。
気温が下がると、コンクリートの硬化速度や膨張・収縮挙動が変化し、型枠の組立精度や脱型タイミングに直接影響を与えます。

今日は、そんな11月ならではの「気温変化と型枠管理」について、現場視点で深く掘り下げます。‍♀️


️1. 11月の気象条件と現場のリスク

11月の平均気温は10〜15℃前後(地域差あり)。
この温度帯は、夏季施工と比べてコンクリートの初期強度発現が遅くなる時期です。
つまり「昨日までの感覚で脱型したらまだ固まっていなかった」というミスが起きやすい。

【主なリスク】

  • 打設後の温度降下→表面乾燥ひび割れ

  • 夜間冷え込み→初期凍結(5℃以下で危険)

  • 脱型時の角欠け・面はがれ

これらを防ぐには、温度・湿度・養生時間の管理を徹底する必要があります。


2. 型枠工事における“11月仕様”の施工ポイント

① 型枠材料の保温管理

木製型枠やコンパネは、朝露や湿気で吸水します。
吸水したまま打設を行うと、表面仕上がりに「ムラ」「剥離」「気泡」が発生。
前日夜から養生シートで覆い、朝一で乾拭き確認。

② 型枠脱型タイミング

気温10℃では、一般的に**24時間で強度発現が夏の70〜80%**程度。
→ 脱型は早くても翌日午後、できれば打設後30時間以上確保が望ましい。

③ コンクリート温度管理

打設時温度を15℃以上に保つのが理想。
冬期が近い地域では、打設時に温水練り・保温シート養生も検討すべき。

④ 風と乾燥対策

11月は乾燥風が強い季節。
風速2m以上では、型枠内部の水分が急速に奪われます。
→ 打設直後はシート・保温マット・湿潤養生で乾燥を防ぐ。


3. 寸法精度を保つ“気温補正の考え方”

コンクリートは温度によって収縮・膨張します。
その影響を考慮して、型枠を“わずかに補正して組む”のがプロの技。

状況 対応
10℃以下の朝打設 収縮を考慮して+1〜2mm余裕を持たせる
昼と夜の温度差10℃以上 収縮クラック対策で目地部に緩衝スペースを設ける
型枠パネル接合部 金物締めすぎ注意。温度差で膨張→割れリスク

冬前のこの時期は、職人の「経験」が数字より信頼できる瞬間。
だからこそ、班長・職長レベルでの“現場判断力”が品質を決めます。


4. 11月の安全管理チェック

冷え込む時期は、手足のかじかみ・滑落・資材凍結など、物理的リスクも増えます。

  • 足場の霜・朝露による滑り事故

  • 凍ったコンパネの取り扱いでのケガ

  • 暗い時間帯の照明不足

  • 防寒具による動作制限・視界不良

安全朝礼では「冬用手袋・滑り止め靴・ヘッドライト点灯」の3点を徹底しましょう。


まとめ

11月は“寒さの始まり”であり、“精度の試される月”でもあります。
気温管理・養生・安全対策——どれも地味ですが、品質と信頼の根幹です。

型枠の美しさは、見えない努力の積み重ね
職人の手が震えるほどの冷気の中でも、ピシッと決まる面仕上がりこそが、現場の誇りです。

 


株式会社フジワラでは、一緒に働いてくださる仲間を募集中です!

私たちが採用において最も大切にしているのは、「人柄」です。

ぜひ求人情報ページをご覧ください。

皆さまのご応募を心よりお待ちしております!

詳しくはこちら!