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皆さんこんにちは!
株式会社フジワラ、更新担当の中西です。
型枠精度とコンクリート管理
秋も深まり、朝晩の冷え込みが一気に増す11月。
現場に立つ型枠職人にとって、この時期は**「気温との戦い」**が始まる季節でもあります。
気温が下がると、コンクリートの硬化速度や膨張・収縮挙動が変化し、型枠の組立精度や脱型タイミングに直接影響を与えます。
今日は、そんな11月ならではの「気温変化と型枠管理」について、現場視点で深く掘り下げます。♀️
11月の平均気温は10〜15℃前後(地域差あり)。
この温度帯は、夏季施工と比べてコンクリートの初期強度発現が遅くなる時期です。
つまり「昨日までの感覚で脱型したらまだ固まっていなかった」というミスが起きやすい。
【主なリスク】
打設後の温度降下→表面乾燥ひび割れ
夜間冷え込み→初期凍結(5℃以下で危険)
脱型時の角欠け・面はがれ
これらを防ぐには、温度・湿度・養生時間の管理を徹底する必要があります。
木製型枠やコンパネは、朝露や湿気で吸水します。
吸水したまま打設を行うと、表面仕上がりに「ムラ」「剥離」「気泡」が発生。
→ 前日夜から養生シートで覆い、朝一で乾拭き確認。
気温10℃では、一般的に**24時間で強度発現が夏の70〜80%**程度。
→ 脱型は早くても翌日午後、できれば打設後30時間以上確保が望ましい。
打設時温度を15℃以上に保つのが理想。
冬期が近い地域では、打設時に温水練り・保温シート養生も検討すべき。
11月は乾燥風が強い季節。
風速2m以上では、型枠内部の水分が急速に奪われます。
→ 打設直後はシート・保温マット・湿潤養生で乾燥を防ぐ。
コンクリートは温度によって収縮・膨張します。
その影響を考慮して、型枠を“わずかに補正して組む”のがプロの技。
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 10℃以下の朝打設 | 収縮を考慮して+1〜2mm余裕を持たせる |
| 昼と夜の温度差10℃以上 | 収縮クラック対策で目地部に緩衝スペースを設ける |
| 型枠パネル接合部 | 金物締めすぎ注意。温度差で膨張→割れリスク |
冬前のこの時期は、職人の「経験」が数字より信頼できる瞬間。
だからこそ、班長・職長レベルでの“現場判断力”が品質を決めます。
冷え込む時期は、手足のかじかみ・滑落・資材凍結など、物理的リスクも増えます。
足場の霜・朝露による滑り事故
凍ったコンパネの取り扱いでのケガ
暗い時間帯の照明不足
防寒具による動作制限・視界不良
安全朝礼では「冬用手袋・滑り止め靴・ヘッドライト点灯」の3点を徹底しましょう。
11月は“寒さの始まり”であり、“精度の試される月”でもあります。
気温管理・養生・安全対策——どれも地味ですが、品質と信頼の根幹です。
型枠の美しさは、見えない努力の積み重ね。
職人の手が震えるほどの冷気の中でも、ピシッと決まる面仕上がりこそが、現場の誇りです。
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